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・リフォームは既存の部分を残しながらの解体。
・少しずつ丁寧に壊さねばならない。
・下地の処理に手惑うことが多い。
・養生や清掃に気を遣う。



住宅を何もないサラ地に家を建てるほど簡単なことはありません。
TVの番組では、全ての家財道具や住人も引っ越しして空っぽの状態でリフォームを行います。
それは大変ラクな「あらえっさっさ〜!」の作業になります。

既存(古い)の部分を残して、新しい部分をつなぎます。
その部分にスキマが出来ないよう慎重に作業をします。
つなぎ目は強度を保つためボルトや金物でつなぎます、従って少し大きめに解体する必要があります。
リンゴを真っ二つにしたような切り口には出来ません。 つなぎの部分を補修するだけでも手間がかかります。
既存の建物が垂直に、水平に、直角に建っていれば問題ありません、木造住宅は100%狂いがあるといっても過言ではありません。 
それを合わせるのにクサビ状の咬ませ材を作りながら、入れながら垂直・水平を確保します。
多くのリフォーム業者はこの作業を省き、直に下地材を貼り上げることが多いようです。(安く上がります)

重機で一気に壊すのは簡単ですが「残して取る」作業は、取り付けた経験のある人(大工など)でないと、うまくはずすことが出来ません。
単純職の人より賃金も高いのは理解できますよね。
再利用する部材(キッチン・洗面台・大黒柱・屋根瓦・・・)は特に丁寧に取り扱う必要があります。
それを保管する場所も確保する必要があります。

柱や壁を撤去すると、屋根荷重に耐えるため天井裏に「梁(はり)」と呼ばれる補強材を入れます。
梁を架けるため必要ない隣室の天井も取る場合があります。
壁を取ることで失った壁強度を保つため、他の壁に筋交い(すじかい)と呼ばれる重要な部材を入れます。
TVのリフォーム番組では筋交い補強を殆ど見受けませんね。

下地を残しながら補修する場合、下地を滑らかにする必要があります。
新築では、合板やボードの上に塗ったり・貼ったりするのでその処理が殆ど不要です。

既存の床を汚さないよう養生も必要ですね。
塗り壁を剥ぐ場合、かなりのホコリや表面材が出てきます、そこで養生シートと呼ばれる紙やビニールなどで床を覆います。
いちいち靴を履き替える手間が大変なので、土足で上がっても傷まないように、古いカーペットなども使用します。
残されている家具や照明器具・電化製品などにもシートを掛けます。
隣の部屋に侵入するホコリを防ぐ養生も必要です。

おわかりいただけましたでしょうか?
新築では上記のような手間が省けるため、坪○○万円と表示できるのですが、リフォームは坪いくら?と簡単に表示することが困難なのです。
そして、リフォームで大切なのは出入りする協力業者(職人)のモラルです。
平成15年7月より建築基準法の改正で24時間の換気設備が規定されました。
これは、室内の汚染物質を強制的に排気しようと言う考え方です。
(リフォームにも適用されます)

私の育った安来市の田舎では、雨戸板、襖や障子といったスキマだらけの建物でした。
自然素材を使って、昔のような建て方をすれば強制的な換気設備は緩和されるようですが・・・

人は自然換気によって、自然から受ける「良い気」を受けることが出来ます。
強制的な機械換気で、室内の「悪い気」は排出できますが、自然から受ける「良い気」は期待できません。
高気密・高断熱の人工的な住宅に住み、人工的な環境に住んでいると『無感』の人になりかねません。
(いや!私は違う!と言い切れるでしょうか?)

だから、五感が鈍って感性が育ちにくい環境になることでしょう。 
下の引用に書いていますが「イノシシとブタの話」ご存知ですか?
自然で育ったイノシシを過保護に、家畜として育てたのがブタです。

太陽の日差し、雨や風、若葉や落ち葉・・そんな自然の中から日本人は、音を感じ、色を感じ、四季折々の「季節」を感じていました。(日本人は色や音を言葉で表す名人ですね)

このことが、優しさとか温かさ・思いやりや創造力など感性豊かな人間性を育んできたのです。
便利さや快適さを優先することで、どんどん「五感」や「体力」までが退化して行くのは私だけではないはず。
大げさに言えば、命の維持や運気の盛衰がいつも影響を受け続けていることになりかねません。

近年のニュースは無差別な殺人事件や身内の殺人事件が多くなりましたね、それも小中学生による事件は、家庭内での感性を自然に学ばせる「場」としての建物の構造にも影響があるように思います。

学校に上がる前の子供に、独立した部屋を求められたリフォームもありました。
本当にその子供が求めていたのでしょうか?兄弟ケンカがあってもいいじゃないですか、ケンカの中から優しさや思いやり、痛みの度合いまで理解できると思うのです。
私どものリフォームでは、上記のようなお話も含めお客様とのコミュニケーションを図っています。

「イノシシとブタの話」

ブタは
イノシシを家畜化したものである、
敵が来ないように柵を設け、日が当たらないように屋根をかけ、
腹が減る前に餌を与え、保護に保護を重ねたらブタになった。

イノシシは
野性的であるが、ブタは肉の塊を脂肪で取り巻いた体になったから、
暑さに弱い、高温になるとコロリとトン死する。

私たちも、
文明の恩恵を受け、すべてのものが便利になっただけ、
自己家畜化の方向に進んでいる、つまり、ブタ化しつつあるということだ、
とても怖い話である。

濁り水からとったメダカは清水では死んでしまう、
保護と清浄が必ずしも理想条件とは限らない場合もあるのです。

身体障害者や、高齢者の環境は、あまり便利に作りすぎるより、
本人が努力しなければならないようにしないと、
リハビリの目的には合わないという。

医療機関の進歩による検査漬け、薬漬けが疑問視されてきたように、
住宅もまた、設備漬け、電化漬けへの傾向をチェックしなくても良いか?。

最近の設備機器の発達で、
どんな状態にまでも望みのままにコントロールできるようになった、
それが果たして真の幸福につながるかどうかが疑問である。

あなたは、快適さばかりを求めて、
体温調節の出来ない「ブタ」になっていませんか?

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