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東京医科歯科大学の藤田紘一郎教授の面白い話がある。
教授は「清潔は病気」と意外な話が飛び出した。



私たちの環境を健康的にするには、身の回りから不浄なものを取り除けばよい・・・と考えがちだが。
昭和30年代まではアトピー性疾患の病人はいなかった。
それが増えたのは住環境が改善されて綺麗になりすぎたからである。
言われてみれば、私たちの幼い頃にハナタレ小僧と呼ばれ、学生服の裾がいつもピカピカ輝いていた
(何を隠そう筆者のことだ)


インドネシアのカリマンタン島の住民にはアレルギー疾患の患者はいない。
汚さの中で暮らしているからだ。
O157菌は日本の学校給食が清潔になりすぎたから生まれた。
体内に微生物がいればアレルギーを抑えてくれる。

人間の体はあまり清潔にすると病気になる。 綺麗にしたつもりが逆の効果を生む。
抗菌剤の薬品が市場に出回っているが、これも人間の体を弱めるもとになるのではないか。 と指摘される。

人間の遺伝子は1万年前と変わっていないが、文明は精神的にも肉体的にも、人間にとって必要なものまで排除してしまった面がある。
そのために、超潔癖症候群の人が増えてきて、精神的免疫力までなくしてしまった。

それと関連して、密閉空間は良くないと言う人がいる。 結核予防協会理事長の青木正和氏である。
戦前には年間10万人もの死者を出した結核は、戦後世界一のスピードで減り続けてきた。
しかし、1977年(昭和52年)を境に減り方が鈍化してきた。
その原因を調査したところ「アルミサッシ」の普及率と結核患者減少の鈍化次期と重なることに気が付いた。

「サッシの普及率」が原因の全てではないにしても、患者減少の鈍化と集団感染の増加が建物の気密化と一致することは問題である。
要するに生物のための空間にはほどほどの開放性が必要である。
高気密・高断熱を推進してきた国家的プロジェクトも、近年各部屋に換気装置を必要としてきた。
ならば、昔のような建具だらけの、スキマのある建物で良かったのではないか?と思うのは私だけか。
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