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最近の住宅の殆どが防火サイディングと呼ばれるセメント(窯業系)系の外壁材で仕上げられます。



今から25年ほど前に12mm厚さの「防火サイディング」が発売されました。
(当時は画期的!とまで言われました)
当時防火が必要な外壁には、モルタル(セメント系)かトタンで代表される金属系の外装材が一般的でした。

何が画期的か?と言うと、
従来左官で仕上げると下塗り、中塗り、仕上げ・・それぞれ乾燥期間を含めると、天候が良くても10〜20日以上は必要でした。
防火サイディングを貼ることで、仕上げまで1週間もあれば完成するのです。(外部の場合ですよ)
少し割高になりますが塗装がしてある商品だと、わずか数日で完成します。
塗装品のサイディングは10年もすると再塗装を検討しなければなりません。(モルタルも同じです)

当時(20年以上前)私自身、かなりのペースでサイディングを使用したのです・・・が!
ところが!思いがけないところでクレームが発生しました。

メーカは数十社にも及び、デザインや価格でしのぎを削っていました。
サイディングは紙漉きのように何回にも分けて漉いて厚さを出すのです。
重なり合った厚さの一部がパンクして剥離する現象が発生!
セメント分だけでは折れやすいので、初期のサイディングには問題のアスベストの繊維が使用されていたのです。
セメント系であるが故、長尺の寸法が出来ません。サイディングは長くても3mです、でも建物は3mでは収まりません。
板状のサイディングは、必ずつなぎ目が必要になってきます(現在でも同じです)。
サッシの回りも庇(ひさし)の回りも・・・1cmほど隙間を空けてコーキングします。

そのコーキングが10年も経過しないうちに劣化して水漏れを起こすのです。(コーキングは永久的ではありません)
コーキングの施工技術にも原因がありました。(今でも時々見かけます)

当時はサイディングに直接釘を打つ方法で施工していました。
地震や通行するトラックの振動などで打った釘の部分から割れが発生し、クレームにもなりました。
現在ではそのクレームを解消するため引っかけ金具を使用するので、釘を正面から打つことはありません。
しかし、正面から打たないので貼り替えるときが大変です。

今では製造するメーカーも合併などで数社になりました。そして、素材も厚くなりました。
しかし、お客様の要望は多様化して、様々な柄・デザイン・カラーが豊富になり選択も楽しめます。・・・が!
豊富になりすぎたデザインやカラーは10年も続きません!
私どもでリフォームした築12年のY様では同じ柄が廃版でどこを捜してもありません!
仕方なく似たようなものを捜して貼りましたが、お客様もご満足までは戴けませんでした。

当社としては16年前より水漏れ・割れ・貼り替え困難などの理由で最終的にお客様に迷惑がかかると思われる窯業系サイディングは好んでお薦めはしていません。

当社での外壁施工は殆どが左官系で仕上げます。
多くの業者が割れ(クラック)が発生しやすいからとモルタルを嫌います。

それは、適切な材料を使い的確な施工方法を指示し、監理すれば殆ど発生することはありません。
早く!安く!仕上げようとするからクラックは発生すると考えられます。
サイディングより工期は長くなりますが、将来を見据えてもモルタル仕上げは無くならない!
曲面(カーブ)も含め多様な仕上げが楽しめる。
基本的につなぎ目がないので雨漏りの発生が少ない。
金属のように錆びることがない。
などの理由から当社では漆喰壁などを含め左官系の仕上げをお薦めしています。
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